「マーケティングオートメーションって具体的にどんなことができるツールなんだろう」
「マーケティングの効率が落ちてきたから早急に改善したい」
企業のマーケティング部門の管理者であるあなたはこのような疑問や課題をお持ちではありませんか?
マーケティングオートメーション(MA)の導入によって、マーケティング上の業務が効率化されて、売り上げの向上が見込めます。
しかし、数多くあるツールの中からその特徴を理解して、自社に最適なツールを選定するのも困難でしょう。
そこで、このページではマーケティングオートメーションでできることやメリット・デメリットといった基礎知識、ツールの選び方、おすすめのマーケティングオートメーションツールをご紹介していきます。
読み終える頃には、マーケティングオートメーションに関する知識がひと通り付いているはずです。
マーケティングオートメーションツールとは?
マーケティングオートメーション(Marketing Automation)とは、マーケティング上の業務を自動化するためのツールです。
役割としては、大きく「① リードの獲得とホットリストへの育成」「② 見込客一人ひとりに適した、One-to-Oneコミュニケーションの実現」の2点です。
具体的には、顧客データの収集からメール配信、顧客別に行動ログ蓄積、見込度のスコアリングまでを自動的に行い、スコアリングが高くなった段階で営業部隊に渡すことで確度の高い営業が可能になります。
「マーケティングオートメーション」という単語自体長いので、「MA(エムエー)」と呼ばれることも多いです。
マーケティング オートメーションが広まった背景
マーケティングオートメーションが広まった背景としては、クラウドの普及とともに便利なマーケティングツールが増えてきた反面、マーケターの業務量も増えてきました。
そこで、自動化のニーズが高まってきたというわけです。
では、次でマーケティングオートメーションにより実現できることを挙げてみましょう。
マーケティングオートメーションツールでできることは?
マーケティング オートメーションでできることは、大きく以下の6点です。
- Webサイトの解析
- フォーム作成(リード獲得)
- CRM(顧客管理)
- メール配信
- テスト機能
- リードスコアリング
上記6点の機能を一つひとつわかりやすく解説していきます。
1.Webサイトの解析
Webサイトの解析自体はなんら珍しいことではありません。
GoogleAnalytics等の無料ツールでも可能です。
マーケティング オートメーションツールのWebサイト解析の優れている点は顧客情報と連携している点です。
例えば、以下のようなことが可能になります。
- A社がどのページをどのくらい訪問しているのか
- A社が興味のない(読んでいない)ページはどれなのか
当然、料金ページや導入事例を頻繁に読んでいる見込客であれば、アプローチによっては決まる確度が高いといえます。
一方で、知識系コンテンツが主であれば情報収集が目的ですので、決まる確度は低いと言えるでしょう。
このように、サイト内の見込客の行動ログを残せますので適切な段階でアプローチすることができます。
2.フォーム作成(リード獲得)
マーケティングオートメーションでは、フォーム作成をHTMLやCSSの知識がなくても簡単に作成できます。
そのため、ホワイトペーパーのプレゼントと引き換えに、メールアドレスや企業情報を獲得することができます。
しかし、このフォーム作成機能もMA特有の機能ではなく、よくある機能です。
ですが、MAと連携されていることによって自動で顧客リストに登録されていくため、リストをCRMに登録するといった手間が必要なくなります。
3.CRM(顧客管理・リード管理)
CRMは、マーケティングオートメーションの全ての機能の軸となります。
獲得したリードをCRMに自動登録するのも、Web解析とCRMを連携させて顧客のWeb上での行動ログを取るのも、後述するメール配信を行うのも、顧客ごとに見込度をスコアリングするのも、このCRMが軸になっています。
CRM単体でサービスを提供するベンダーもありますが、MAツールを導入することで大幅な業務効率化が期待できます。
4.メール配信
メール配信は、マーケティングオートメーションの役割の一つである「見込客一人ひとりに適した、One-to-Oneコミュニケーションの実現」のため欠かせない機能です。
主に以下の目的でメール配信を行います。
- オフラインイベントへの集客
- 資料請求の促進
- 知識提供
- 商品販売促進
メール配信もやはり、メルマガスタンドを導入すれば実現できる施策ではあります。
MAのメール配信の特徴はCRMと連携して、見込客のアクションと連携して自動的に配信できる点です。
例えば、過去のイベント開催情報ページを閲覧した企業に最新のイベント情報を告知すれば、申し込みの確度が上がるはずです。
このように、顧客一人ひとりの状況にあわせたメール配信ができます。
5.テスト機能
メール開封率やフォームの入力率などをテストし、向上させることができるのもCRMでできることの一つです。
例えば以下のようなテストが可能になります。
- メールの件名を変更することで開封率にどの程度影響するか
- 資料ダウンロードの際のフォーム入力数を一つ増やすことで、どんな変化があるか
- WebサイトのAページを閲覧した企業に送るメールのタイミングはいつが最適か
マーケティング オートメーションツールによって、マーケティング業務の多くが自動化されますので、マーケターはテスト機能を使い「仮説を立ててテストを実施し、改善させる」といった業務に集中することができます。
6.リードスコアリング
マーケティングオートメーションツールによって見込客ごとの見込度を点数などで可視化することができます。
これによって、客観的に見ても見込度の高いリストを営業に渡すことができます。
なお、仕組みとしては見込客のアクションに応じて点数が加点・減点される仕組みとなっています。
例えば、
- Webサイト訪問 … +2点
- 資料請求 … +5点
- メールの未開封 … ー3点
- オフラインイベントへの参加 … +7点
といった具合です。
どのアクションでどのくらい加点・減点するかは、あらかじめ設定する必要があります。
(ここ最近はAIが自動で行うツールもあります)
マーケティングオートメーションツール導入のメリット
マーケティングオートメーションを導入するメリットは大きく以下の2点です。
- 売り上げの増加
- 業務の効率化
一つひとつ解説していきましょう。
1.売り上げの増加
マーケティングオートメーションの導入によって売り上げが増加します。
顧客リストの収集が効率化され、エンゲージメントが高められ、営業部隊に見込度の高いリストを渡すことが可能になります。
見込度の高い顧客リストを渡すことができるようになれば、営業の力量に関係なく契約も決まりやすくなりますし、1件の契約にかける時間もグッと減るでしょう。
このような理屈によって、売り上げの増加が期待できるというわけです。
2.業務の効率化
マーケティングオートメーションの導入によって業務が効率化されます。
業務が効率化されれば、人件費や残業時間の削減にも効果が期待できるでしょう。
理屈としては、マーケティング系のツールがそれぞれ別々ですと、コンテンツマーケティングを継続して、フォーム経由や名刺交換で獲得したリストをCRM(顧客管理システム)に登録して、CSVをダウンロードして、メールツールにアップロードしてメルマガ配信して、Web接客ツールで訪問者とコミュニケーションをとって・・・、とマーケターの業務は膨大です。
マーケティングオートメーションツールでは、マーケティング上必要な機能を一つのサービス内で完結できて、それぞれが自動連携されているため、主にコンテンツを作ることなど見込客との接点を増やすという役割に集中することができるようになるのです。
マーケティングオートメーションの導入によって日々の膨大な業務から解放されます。
マーケティングオートメーションツールの選び方
マーケティング オートメーションを選ぶ際には以下の6点を基準に選定してください。
- 目的を実現できる機能が備えられているか
- サポート体制が充実しているか
- 費用対効果が良いか
- 導入事例に自社と同業種の企業があるか
- いま使っているマーケティングツールからの移行や連携は容易か
- 万全なセキュリティか
上記の6点について、一つひとつ解説していきます。
1.目的を実現できる機能が備えられているか
自社のマーケティング上の課題を明らかにした上で、その課題を解決できそうなツールを選定しましょう。
マーケティングオートメーションツールでできることの項でご紹介した機能は多くのMAで備えてはいるものの、ツールによっては力を入れている(ウリにしている)ポイントが異なります。
例えば、見込客情報をほとんど持っていないのに、リードの活性化や育成をウリにしているツールを導入しても効果は見込めないかもしれません。
2.サポート体制が充実しているか
マーケティングオートメーションツールは機能が複雑なため使いこなすことが困難です。
FAQサイトの設置のみだけでなく、電話や訪問トレーニング実施など、サポート体制が充実しているベンダーを選定すると安心でしょう。
3.費用対効果が高いか
費用対効果の高いツールを選定するようにしましょう。
マーケティングオートメーションツールの導入によって、業務の効率化による人件費削減や見込客獲得や育成による売り上げ増加が期待できます。
しかし、ツールの導入によって増えるコストと、削減できる人件費、増加する売り上げの収支をシミュレーションしないのは危険です。
MAは決して安いツールではありませんので、よく検討した上での導入が必要です。
4.導入事例に自社と同業種の企業があるか
導入事例を確認して、自社と同業種の企業が紹介されているかを確認しましょう。
MAツールによって得意不得意が少なからずあります。
例えば、
- リード獲得を得意としているのか、リード育成を得意としているのか
- BtoB向けなのかBtoC向けなのか
- クライアント業種が特定される業態なのか(飲食店や小売店向けのサービスを提供している、など)
といった具合です。
多くのマーケティングオートメーションツールでは、Webサイトに導入事例を掲載しているはずです。
もしくは担当者に聞けば教えてくれるはずですので、お問い合わせしてみましょう。
5.いま使っているマーケティング・営業ツールからの移行や連携は容易か
いま使用しているCRMやSFA、名刺管理サービスといったツールがあればデータ移行や連携が必要になります。
それがスムーズにできるサービスを選定しましょう。
移行や連携をせずにマーケティングオートメーションツールを使用すると、かえって非効率な部分が増えていってしまいます。
データの移行や連携面もサービス選定の際には欠かせません。
6.万全なセキュリティか
マーケティングオートメーションを選定する際にはセキュリティ体制にも目を配りましょう。
企業にとって顧客情報は大事な資産であると同時に、漏洩してはならない個人情報です。
万が一漏洩してしまったとなれば、企業経営にも大ダメージを与えかねません。
自社の情報を預けることができるかどうかという視点で、担当者からよく話を聞くようにしてください。
マーケティングオートメーションツール7選を徹底比較
ここまで、マーケティングオートメーションツールでできることや導入のメリット、選び方をご紹介してきました。
ここからは、実際に数多くあるマーケティングオートメーションツールの中から、おすすめを7つ厳選して一つひとつご紹介していきましょう。
1.b→dash(ビーダッシュ)
・MAとしての機能以外にも、DWHやBI、Web接客、アプリPUSHなど、幅広い機能を網羅
・サポートが充実しているため、困った時にすぐに解決できる
b→dash(ビーダッシュ)は、使い勝手の良さと多機能であるという点が特徴です。
国産のツールであるため日本人にとって使い勝手のいいUI・UXを実現しているほか、プロフェッショナルによるサポートが受けられるため、現場での運用がスムーズに行われます。
また、マーケティングオートメーションとしての基本的な機能以外にも、Web接客やアプリプッシュといった機能も搭載しているため多様な業種業態、ビジネスモデルに対応できます。
導入事例をみても、アパレルから金融、野球団に至るまで多様です。
会社名 | 株式会社フロムスクラッチ |
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料金 | 要お問い合わせ |
2.SATORI(サトリ)
・リードジェネレーション(リード獲得)に強い
・日本人スタッフによる丁寧なサポートが受けられる
SATORI(サトリ)は、国産MAで丁寧なサポートとリードジェネレーションに強いという特徴を持ちます。
サポート面では、セミナーやオンラインサポート(FAQ、問い合わせ)、動画コンテンツの提供、ユーザー会、有償の定例サポートと日本人による日本語の丁寧で充実したサポートが受けられます。
また、リードジェネレーションに強いという面ですが、集客の間口を広げるために匿名リードを獲得し、匿名リードを実名リードに育成するという機能を備えています。
導入事例をみてもBtoBからBtoCに至るまで多様な企業に利用されていることがうかがえます。
会社名 | SATORI株式会社 |
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料金 | 初期費用:300,000円~ 月額:148,000円~ ※基本機能の利用に限る |
3.Marketo(マルケト)
・国内でもBtoB、BtoC問わず導入事例豊富
・700社の関連ソリューションとの連携が可能
Marketo(マルケト)は、機能の拡張性とユーザーコミュニティが特徴的なマーケティングオートメーションツールです。
機能の拡張性については700社の関連ソリューションとの連携を可能にしていますので、いま使っている他のツールや今後ツールを追加で導入する際にも連携することで効率化を実現できます。
ユーザーコミュニティについては、国内の1800を超えるユーザーがノウハウを共有する場所になっていますので、マーケターとしての知見を広げるきっかけになるでしょう。
海外のツールではありますが、国内でも金融から食材宅配、製薬会社に至るまでBtoB、BtoCに幅広く導入されています。
会社名 | アドビ システムズ 株式会社 |
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料金 | 要お問い合わせ |
4.HubSpot(ハブスポット)
・SEOに強いブログ記事を書くための役立つ機能が豊富
HubSpot(ハブスポット)は、インバウンドマーケティングに適したツールです。
リードを獲得するためのブログを構築する機能が備わっており、SEOに強い記事を書くためのアドバイスがリアルタイムに表示されるため、誰でも良質なコンテンツを作成できます。
その他、ランディングページや効果的なEメールを作成するためのテンプレートがあるため、あなたはリードの獲得に集中できます。
会社名 | HubSpot Japan株式会社 |
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料金 | 月額費用;6,000円~,96,000円~,384,000円~ ※機能により異なる |
5.SHANON MARKETING PLATFORM
・柔軟なカスタマイズ性
・丁寧なサポートにより99%以上がサービスを継続
SHANON MARKETING PLATFORMは、売上金額ベースでの2010年度~2016年度 (予測値)シェアナンバーワンのマーケティングオートメーションです。
機能としては一般的ではあるものの、柔軟なカスタマイズ性と安心のサポートにより知名度を広げてきました。
特にサポート面は専任スタッフによる電話・メールサポートはもちろん、運用方法の提案からコンサルティング、ノウハウ提供、運用代行に至るまで幅広く提供しています。
運営企業も日本の会社ですので、導入後の初期導入や運用に心配な企業におすすめしたいMAです。
会社名 | 株式会社シャノン |
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料金 | 要お問い合わせ |
6.Pardot(パードット)
・必要な機能を豊富に備えたマーケティングオートメーションツールの定番
・ドラッグ&ドロップで作成できるランディングページや直感的なメールエディタで、高速にPDCAを回せる
Pardot(パードット)は、セールスフォースのマーケティングオートメーションです。
MAといえばセールスフォースをイメージする人も多いくらい定番のツールと言ってもいいかもしれません。
実際に多くのマーケティングツールでは、セールスフォースとの連携を可能にしているものも多くみられます。
Pardotはリードを獲得し、リードを育成し、適切なタイミングで営業チームに引き渡すためのパワフルな機能を搭載しています。
会社名 | 株式会社セールスフォース・ドットコム |
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料金 | 月額費用;150,000円,300,000円,480,000円 ※機能により異なる |
マーケティングオートメーションツールのデメリット
マーケティングオートメーションのデメリットは大きく以下の2点です。
- 効果を十分に得られない場合も
- 使いこなすことが難しい
以上の2点について、一つひとつ解説していきます。
1.効果を十分に得られない場合も
マーケティングオートメーションを導入しても十分に効果を得られないこともあります。
それは、そもそもの見込客との接点が少ない場合です。
マーケティングオートメーションの役割は、オウンドメディアや広告などによって得られる接点からリード(メールアドレスなどの顧客情報)を獲得して、ホットリスト(見込度の高い状態)に育成する点にあります。
しかし、そもそも接点が少なければマーケティング オートメーションの高い維持費用を支払い続けるだけのメリットを得られません。
よってあなたの会社が接点が少ない場合には、まずオウンドメディアの立ち上げなどによって見込客との接点を増やす努力をしましょう。
しかし、この心配はハブスポットなどSEOに強いコンテンツ作成に役立つCMSを搭載したMAの導入により解決します。
2.使いこなすことが難しい
マーケティングオートメーションは多機能であるという特性ゆえ、何も知らない人にとっては使いこなすことが難しく感じられます。
ベンダーの中には十分なサポートプログラムや有料支援を行なっているところもありますが、基本的には専任で担当者を1人以上おくべきでしょう。
使いこなすことができる適切な担当者が見つからない場合、マーケティング オートメーションの効果を実感しにくいかもしれません。
しかし、この心配はシャノンなどサポートが充実したベンダーを選定することで解決します。
最後に
マーケティングオートメーションでできることやメリット・デメリット、ツールの選び方からおすすめMAツールをご紹介してきました。
マーケティング オートメーションを導入することで御社の売り上げ向上や効率化といった効果が期待できるでしょう。
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