「カスタマーサクセスを取り入れることで、どんな効果があるのかわからない」
「カスタマーサクセスはどんなツールを使えばいいのかわからない」
これから自社にカスタマーサクセスを導入したい、そう思われるあなたはきっとこんな悩みを抱えているかもしれません。
カスタマーサクセスは、顧客の悩みを積極的に解決するために生まれた概念で、SaaS業界など、サブスクリプション(登録)型のビジネスにおいて重要な役割を担っています。一方で、新しく生まれた考え方であるが故に、どういうものなのか、何をすればいいのかわからないという方も多くいるでしょう。
この記事では、カスタマーサクセスがどういう概念なのか、なぜ必要になるのか、カスタマーサクセスを導入するために必要なツールをご紹介します。
カスタマーサクセスを導入したいと考えている方には役に立つ記事なので、ぜひともご覧ください。
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、文字通り「顧客の成功」へと導くための積極的な行動のことを指しています。
似た概念で、カスタマーサポートというものがありますが、こちらは問い合わせ・クレーム対応やコールセンターなど、顧客の疑問や悩みに対して受動的に対応をしているという点で違いがあります。
それに対して、カスタマーサクセスでは、顧客の利用状況をこちらから情報収集し、積極的に提案を行なっていきます。
具体例としては
- 各顧客の利用状態のモニタリング
- チャットツールを利用したリアルタイムのやりとり
- メールなどを用いた機能やプランの積極的な提案
などが挙げられます。
これらを駆使することで、顧客が商品やサービスの機能を理解し、余すところなく活用できるようにサポートをします。
カスタマーサクセス導入のメリット
カスタマーサクセスを導入することで、以下の2つのメリットが得られます。
- 解約率の低下
- 製品契約前から積極的にアプローチができる
1.解約率の低下
カスタマーサクセスを導入する最も重要な目的は、製品の解約率を低下させることです。
SaaSなどのサブスクリプション型のビジネスでは、当然のことながら製品を使い続けてもらうことで利益が発生し、解約率は売上減少に直結するでしょう。
一方で、製品の使い方がわからないといった疑問に対して受動的な対応しかできない場合は、顧客から「この製品は価値がない」と思われる危険性があります。製品の機能を活用できず、顧客から解約をされてしまうのは双方にとって不利益ですし、市場からも「使いにくい製品」と評価されてしまうでしょう。
カスタマーサクセスを導入することで、顧客の疑問や利用状況を積極的に吸い上げ、活用に導くことで、製品の継続率を高めることができます。
2.製品契約前から積極的にアプローチができる
カスタマーサクセスを導入することで、契約前のアプローチ、すなわち営業にも役に立ちます。
なぜなら、契約前から見込み顧客の課題に触れることができ、顧客に寄り添った形で製品の設計やプロセスを提案ができるようになるからです。具体的には、トライアルを利用してもらった時のログイン状況、利用時のつまづきなどを情報として残し、積極的にアプローチをかけることもできますし、営業がヒアリングした要望などを製品に反映することも可能になります。
このように、カスタマーサクセスによって営業時点から顧客の要望や課題をヒアリングすることができるようになり、製品体験の向上を実現できるでしょう。
3.カスタマーサクセスを実現するためのおすすめツール6選!
それでは、カスタマーサクセス導入にオススメのツールを6つ紹介します。
- Hi Customer(ハイカスタマー)
- pottos(ポトス)
- Growwwing(グローウィング)
- KARTE(カルテ)
- KiZUKAI(キズカイ)
- Gainsight(ゲインサイト)
1.Hi Customer(ハイカスタマー)
Hi Customerは2018年12月にリリースされたことで話題になったサービスで、3つの特徴を持っています。
1つ目は、顧客の健康状態を「ヘルススコア」として自動で算定することにあります。
これによって、無償トライアル中に契約に至りそうな顧客や、契約更新前に解約のリスクを持っている顧客などが一元管理できるようになり、サービスのオーナーが顧客の状態に合わせた対応を取りやすくなります。
2つ目の特徴は、顧客の利用状況を個別に分析ができることです。
通常は、アクセス解析などユーザー全体の利用状態をまとめて分析することが多いですが、Hi Customerでは、商品の利用状況を個別に追うことが可能になり、各施策の影響を顧客ごとに検討することができるようになりました。
3つ目の特徴として、顧客に対してどのような打ち手を取るべきかを自動で生成する点が挙げられます。
顧客の退会やアップセルの兆候を認識して、「今何をすべきか」をアラートとして知らせてくれる機能を持っています。
これにより、担当者が売上を最大化する機会を逃しません。
Hi Customerの導入にあたっては、担当者が個別に設定と活用の支援を行います。
2.pottos(ポトス)
pottosは、契約後に焦点を当てたユーザー管理に特徴があるサービスです。
具体的には、導入サポートの進捗、契約更新履歴や月間の収益推移、問い合わせ情報など、サービスを利用するユーザーに適した管理ができます。
また、pottosではユーザーのWebサービス上での行動を分析し、利用率や機能を使いこなせているか等を判断して、対応すべきユーザーを特定します。
さらに、ユーザーの利用状況に合わせた自動タスクの生成、ユーザーに対する自動ポップアップ生成等の機能も保有しており、業務効率化を支援します。
ユーザーのログイン日数や利用率の推移を分析することで、顧客を多く抱えるサービスのオーナーでもきめ細やかな対応が可能になるでしょう。
3. Growwing(グローウィング)
Growwwingは、サブスクリプションビジネス・SaaSビ
顧客情報の一元管理、データの可視化・分析、メンバーの活動管理
また、活動の成熟度に合わせた機能の拡張性も持ち合わせているた
4.KARTE(カルテ)
KARTEは、サイトに来訪したユーザーのデータを統合し、リアルタイムの「経験・感情」を可視化していることに特徴があります。
例えば、Facebookから流入してきた、5分以上問い合わせの情報を眺めている、などといった具体的な情報を吸い上げ、ユーザーの行動を深掘りして次の打ち手を考えるためのデータを提供しています。
さらに、これらのデータをベースとして、ポップアップでのコミュニケーションをはじめとした最適なタイミングで最適なウェブ接客を提供できるようになります。
また、導入においても専門的な知識が不要で、多様なテンプレートからアクションを追加することが可能です。
KARTEを導入することで、ユーザーの感情を読み取り、次の1手を打てるようになるでしょう。
5.KiZUKAI(キズカイ)
「KiZUKAI」はAIを用いたデータ活用により、顧客ロイヤリティーを向上させるアクションを、ノウハウがなくても手軽に実行に移せるツールです。
中でも、特別なノウハウや人材を抱えていない、サブスクリプションモデルのビジネスを行う事業者におすすめです。
データ収集や加工を自動化でき、数ステップで重要な事業KPIを可視化できるため、事業成長につながるアクションが明確になります。
サブスクリプションモデルにおいては解約を防ぐことが重要になります。KiZUKAIでは、顧客ごとのステージを可視化すると同時にAIが解約要因を予測してくれるため、解約リスクのある顧客に対して明確なアクションを取れるようになるのも、特徴です。
6. Gainsight(ゲインサイト)
Gainsightはアメリカのカスタマーサクセスツールであり、大きく3つの機能により、収益向上、解約率の低下、作業効率化を実現します。
1つ目は「Customer 360」という機能で、顧客情報、決済履歴、アンケート回答、自社データベースでの行動など、あらゆるデータを統合し顧客を管理・分析できるようにしています。
顧客の状態を0~100の「ヘルススコア」としてレーティングし、0に近い退会リスクを持つ顧客には解約防止の打ち手を、100に近いロイヤリティの高い顧客にはアップセル・クロスセルを見込んだ打ち手を打てるようになります。
2つ目は「Cockpit」と呼ばれる機能で、Customer 360を元に算出した顧客のヘルススコアを優先順位づけします。
先のように、解約に近い顧客などについて通知が飛ぶようになっているので、フォローの電話などの解約防止策を抜け漏れなく行えるようになるでしょう。
3つ目は「CoPilot」という機能で、顧客のデータをあらゆる角度から収集し分析に役立てるものになっています。
顧客のアンケート回答率など、顧客の参加状況、利用状況の弱点や課題を発見して打ち手を分析できる仕組みになっています。
Gainsightはカスタマーサクセスの概念を生み出したアメリカのサービスであり、3つの機能によって効率的に営業機会を拡大することができるでしょう。
まとめ
カスタマーサクセスの概念が日本にやってきてまだ日は浅いですが、今日におけるサブスクリプションビジネスにとってなくてはならないものになりつつあります。
ご紹介したツールを活用することで、カスタマーサクセスの導入・運用を効率化できるでしょう。